ALL NIGHT BATTLE
オールスターバトル――大仰な名の冠されたその大会に召喚されて5日ほどが経とうとしていた。 それにしても、とシーザーはひとりごちた。 シーザーは思わず入口を振り返った。 覆いかぶさられるままに、シーツへと沈み込んだ。 ジョセフの腕の中で、シーザーは目を覚ました。 奇妙な闘いの日々は、まだ続く。
召喚、とは我ながら的確な表現だと、宿舎としてあてがわれたホテルの自室へと続く廊下を歩きながらシーザーは皮肉げに口元を歪めた。
自らの意思でやってきたわけではない。参加者たちは皆、気がついたらここに集められていたのだ。中には、静かに暮らしたいだけなのに、とぶつぶつ愚痴っているスーツ姿の男もいたくらいだ。大会の趣旨はただひとつ、「己の能力を駆使して闘うこと」――しかしそれが何のためなのかは皆目わからない。ただ、そういうものなのだ、という理解だけが頭の中にある。
そこはあまりに不可思議な空間だった。参加者の中には、やはりシーザーと一緒に召喚されたJOJO――ともに波紋の修行に励む弟弟子、ジョセフ・ジョースターの、息子や孫、さらにはその娘だというシニョリーナまでいたし、また一方で、かつて壮絶な死を遂げたはずの祖父たちの壮健な姿さえあった。
過去と未来が入り交じる中、横たわる時間の狭間を追求しようとすれば、靄がかかったように思考は曖昧になる。それでも、提示された人間関係は真実なのだと、それだけは水が沁みこむように理解できた。血縁者やその友人となれば警戒心も和らいで、試合の合間に談笑したりカードゲームに興じてみたりと、それなりに和やかな時間を過ごしていた。
それぞれに、宿敵というべき相手も呼ばれているようだったが、相容れぬ敵である、という認識は間違いなくあるものの、互いにそれ以上の強い害意を抱くことは、この場ではできないようだった。どこかにぼんやりと、すべては終わったのだ、という意識が浮かぶが、その感覚は、はっきりと掴むより先に霧散してしまう。
なんにせよ、どういう仕掛けがあるのかはわからないが、どんなに苛烈な攻撃も致命傷に至ることはなく、負った傷も試合が終わればたちまちに治ってしまう、闘いの場を供しながらも奇妙な平穏がそこにはあった。
「奇妙にもほどがあるぜ…」
今日の試合、最後に対峙したのは他でもない、シーザー自身だった。
姿形はもちろんのこと、闘い方も波紋の強さも全く同じ、何より、その眼差しが、自分はシーザー・ツェペリだと微塵も疑っていなかった。あれは間違いなく自分自身なのだ、という直感にも似た確信がある。
とはいえ自分と闘うというのはずいぶんと疲れるものだ。次に打ちそうな手が読める分、互いに牽制し合って膠着状態に陥った。だが客観的に自分の闘い方を見られたのは収穫かもしれない。今まで気づかなかった癖や戦術の偏りがわかる。これからはすこし戦法のパターンを変えてみようか、などと考えながら部屋にたどり着く。
「おう、お帰りィ〜〜」
部屋の前まで来ると、隣の扉からジョセフが顔を覗かせていた。
「な、シーザー……こっち、来ねえ?」
絡まる視線をわずかに逸らし、シーザーは、ああ、と応えた。
ここに来てからというもの、怪我も体力もすぐに回復するのをいいことに、ジョセフは毎晩身体を繋げたがった。闘いの高揚と、命の危険こそないものの不可解な環境に置かれた不安とがないまぜになった緊張感が常につきまとっている、その捌け口を求めているのだろう。それを拒まず受け入れているのは、シーザーもまた同じなのだ。
招き入れられた部屋で、シーザーの意識はなんとはなしにベッドへと向かい、
「よォ、シーザー」
――そこに鎮座していたのは、
ジョセフ、だった。
――いる。
振り向いた先には、ベッドに座るジョセフと寸分違わぬ姿の、やはりジョセフが立っている。
「驚いたァン?」
「おまえ、JOJO、…これは」
「ホント、なんでもありだよなァ〜! いやあおれも最初は驚いたぜ、とうとう自分のニセモノまで出てきたかってよ」
「けど闘ってみりゃあ、やり口はまるっきりおれそのものだし?」
「もう直感したね、こいつは間違いなくおれ自身だってな」
ふたりのジョセフが妙に息の合った調子で交互に口を開く。
「好きなモン嫌いなモン、記憶までそっくりおんなじで」
「でまあ、どこまでいっしょなのか、いろいろ話してたわけよ」
もうひとりの自分。それはシーザー自身が身を以て体感したばかりだ。目の前の存在を、シーザーも信じるしかなかった。しかしそれにしたってこの浮かれた調子はなんなのだ。
「……例えば?」
問いながら、ものすごく、ろくでもない予感がする。
「おれしか知らない、シーザーちゃんのイイところ、とか?」
人さし指を頬に当て、首を傾げてかわいこぶってみせるジョセフの口から出た言葉はしかしまったくかわいくはなかった。羞恥か怒りか、全身にぶわっと血が巡る。
「――ッおま、」
「そんなこんなでちょっと盛り上がっちまってさ」
悪びれもなく言いながら押しつけられた腰のそれは、ああ、確かに盛り上がって、……
「ここはひとつ、いっしょにやろうぜって話に」
「って何考えてんだこのスカタン!!」
後ろから密着してくる身体を力づくでひっぺがすも、ジョセフは負けじと抱きすくめてくる。前からはもう一人のジョセフが迫り、指先でシーザーの身体に触れてくる。
「いいじゃねーか、シーザーだってその気で来たんだろォ」
「…っそれは、そうだが、だからって」
「今だけだぜ、こんなの。楽しまなきゃ損だろ」
今だけ。
その言葉に、シーザーはどきりとした。
ジョセフの心臓と喉に仕掛けられた、毒指輪という名の時限爆弾は、生命に関わる干渉を一切拒むこの空間では、カウントダウンを停止しているものと思われた。ジョセフは今この場では命の期限から逃れられている。しかしその一方で、本来の時間軸では何がどうなっているのか――彼の抱えるストレスはシーザーの比ではないはずだ。
「「なあ…いいだろ?」」
熱を帯びた二対の碧に見つめられ、低く囁かれては、もうシーザーに否やはなかった。
規格外の体格ぞろいのジョースター一族を慮ってか、ホテルのベッドは大きく頑丈で、やはり並より優れた体格のシーザーとふたりでもつれあってもびくともしなかったが、さすがに三人は想定外なのか、スプリングがぎしりと軋んだ音を立てた。
唇が重なる。ついばむようなキスの合間に、ジョセフの手がシャツの中へと潜り込み、素肌をまさぐった。互いの唇を舐め、舌先を触れ合わせては、角度を変えてまた重ねる。
キスに視界を遮られたまま、下方でカチャカチャとベルトをはずす音が響いた。下着ごと剥ぎとられて、下半身が外気にさらされた感覚に小さく身体が慄く。しかし予期した刺激はすぐにはやってこず、代わりに爪先に湿った感触が落とされた。その感触はくるぶしからふくらはぎへ、時に肌を吸いながら這いのぼってくる。開かれた内股をじっとりと舐め上げられ、きわどい付け根に強く吸いつかれて腰にぞくぞくとした感覚が走った。
「もう勃ってんぜ」
頭をもたげはじめた中心の昂りを、するりと撫でられたかと思うと、次の瞬間、それは熱い粘膜に包まれた。急激に与えられた刺激に腰がびくりと浮き上がった。裏筋を舐め上げられ、先端を吸われ、また深く咥え込まれる。
思わず漏れた声を吸いとるように、口づけが深くなる。
「んぅ、ふ、ぅン、―――――ッ」
じゅ、と音を立てて舌を吸われる感触と、唇で扱くように自身を吸い上げられる感触とが混じり合い、増幅する快感に追い立てられて、シーザーはあっという間に昇りつめた。
シーザーの下半身に顔を埋めていたジョセフが、自分の口元を汚す液体を指ですくい取ると、シーザーの身体をうつぶせに反転させた。腰を高く上げさせられ、双丘を割り開くように揉みしだかれる。ぬめりを纏った指が、間の窄まりをくすぐった。ひくんと背が撓るのを楽しむようにしばらくぬるぬると撫でてから、つぷ、と中へ挿し入れられる。
指はぐるりと縁に沿って円を描き入口を拡げた。指が増やされ、抜き挿しされるうち、身体の奥に熱が灯る。
曲げられた指がある一点をかすめて腰が跳ねた。
「は、ぁう…んっ!」
「ここ、好きだろ?」
浅いところにあるそのしこりをぐりぐりと押され、湧き上がる快感に、シーザーはシーツを握り締めた。もっと、とねだるように内部が蠢き、ジョセフの指を奥へと誘う。
深く浅く、さんざんに中を蹂躙した指がぐるりと大きく回された。拡げられたそこに、昂った熱い塊が押し当てられる。ぐ、と最も太いところを押し込むと、小刻みに腰を揺らしながらすこしずつ収めてくる。根元まで埋めるとゆっくりと引き抜いてまた埋める、そのたびに張った雁首が弱いしこりをえぐって、びくびくと震える脚が崩れそうになる。
後ろに与えられる刺激に耐えてシーツへ顔を埋めるシーザーの頭を上げさせたのは、もうひとりのジョセフだった。
「顔はこっち」
シーザーの前に膝をつき、自身を顔に突き付けてくる。
先端を、ちゅ、とキスするように頬の痣に押しつけられる。悪戯な笑みに、呆れを含んで睨みかえしてから、仕返しとばかりにシーザーはその先端にわざとらしいリップ音を立てて口づけた。うっ、と呻いてジョセフが硬さを増したのにすこしばかり溜飲を下げて、根元を唇で柔く食んだ。どくりと浮き出た血管に舌を這わせながら舐め上げる。括れを舌先で撫ぜ、口に含むとびくりとジョセフが身を震わせた。先端に舌を絡めたまま唇で上下に柔らかく扱けば、口の中の屹立はたちまち大きさを増していく。
口淫に気を取られていると、緩い抽挿を続けていた後ろのジョセフが不意に腰を回すように動かした。ぐり、と掻き回されて、内壁が蠕動する。中を押し広げるジョセフのかたちをはっきりと感じ、嘆息を漏らした口から、咥えた昂りが抜け落ちそうになるのを手で支え、ふたたび舌を這わせ吸い上げる。
「上も下もおれのうまそうに咥えちゃって、やーらしー…」
「なあ、どっちが美味しい?」
「ん…く、ふぅッ…、どっちも、ん、おまえ、だろ…っ」
「どっちも?」
「じゃあ食いしん坊なシーザーちゃんには、たぁっぷり飲ませてやらないとなあ」
「ぅぐ、んぅっ」
口腔いっぱいに怒張を含まされると同時、背後のジョセフが腰を掴み、後孔に埋め込んだ楔を激しく打ちつけてくる。勢いでがくがくと上半身が揺さぶられて、口は押し込まれたジョセフのものを否応なしにこすりたてた。
「う、―――くっ」
呻きとともに、後孔でジョセフが弾けた。奥に叩きつけられるように吐き出された欲望に息を呑んだ拍子に、喉奥を突いた先端を締めてしまう。
「ん、シーザ、……ッ!」
口の中に青臭い苦みが広がる。反射的に噎せそうになるのを、頭を押さえられ飲み込まされる。
「んぐ、んん、ん、……っふ、はぁっ」
最後の一滴まで絞り出すように注がれて、ようやく解放される。精のこぼれる唇を、ジョセフの指が拭う。
「美味しかった?」
「……この、スカタン…ァッ」
ニヤリと笑う顔に返した罵声は、後ろからずるりと引き抜かれる感触に裏返った。
埋めるものを急になくして頼りなげにひくつくそこをぬるりとなぞられて背が震える。
「こっちはまだ足りねーって言ってるぜ」
「じゃあ、次はおれね」
囁いて、背後へ回る。
ぬち、と先端を押しつけられて、そのまま一気に埋め込まれた。すでに一度開かれたそこは、熱い猛りを迎え入れるようにうねった。二度、三度と抜き挿しされるたび、先に中に吐き出されたものがごぷりと粘着質な音を立ててあふれ落ちる。
「っ、ちょっと、我慢してねェン」
動きを止めたジョセフが、ちゅ、と背中に口づけを落とすと、抱き支えるように腹に片手を回してきた。ぐいと抱き寄せられ腕を後ろへ引かれて上体を引き起こされる。穿たれる角度が変わり、内壁を強くえぐられて、シーザーの口から呻きが漏れた。
胡坐をかいたジョセフの股の上に、背を預けてシーザーが座る体勢になる。自重でより深くジョセフを呑み込んで、みち、と身体が軋む。ふう、と呼吸を整えるジョセフの吐息が肌をくすぐって、シーザーの背筋を粟立たせた。
「シーザー、目ェ開けて」
降ってきた声に、いつのまにかもうひとりのジョセフが正面へと回ってきていたことを知る。
貫かれたまま開いた身体を、ジョセフの眼前に晒している、その意識にかっと羞恥が込み上げた。
後ろから回された手が、視線を誘うように腿をねっとりと撫であげた。そのまま膝裏をぐいと持ち上げられて、ジョセフを咥え込んだそこがさらにあられもなく晒される。ゆるゆると腰を回されれば、結合部からこぼれる白濁が、ぐちゅぐちゅと泡立った。
そこに注がれる視線を感じて、シーザーの腰が震える。
「すげえ、ぐちゃぐちゃ……」
ごくりと喉を鳴らして、ジョセフが指を伸ばした。繋がった縁をなぞられて、きゅうと収縮した入口が中の屹立を締めあげた。
ふ、と笑いをこぼした気配にいたたまれず、シーザーは前で身を屈めるジョセフから顔を背けた。
「駄目だぜ」
それが気に入らなかったのか、ジョセフは顔を上げ、シーザーを自分の方へ向き直らせると唇を吸った。ちゅ、ちゅ、と宥めるように繰り返され、シーザーの身体から強張りがほどけていく。
唇が、首筋から鎖骨へと滑り、胸元に降りてくる。
両腕を背の後ろでがっちりと固定されているために前へ突き出す形になったシーザーの胸に、ジョセフは遠慮なく吸いついた。
唾液を塗り込めるように乳輪に舌を這わせ、ぷくりと勃った小さな尖りを転がしながら、ジョセフの手が硬く勃ち上がっていたシーザーの自身を握る。胸の突起を熱く湿った舌で捏ねまわされ強く吸われて、じんとした痺れが自身に伝わり先走りを滲ませた。
「ん、ふ、ぁ」
鼻にかかった吐息を漏らして、シーザーは身動いだ。その動きにジョセフを収めた内部もうねる。背後でジョセフが熱く息をつき、ふたたび腰を揺らしはじめた。
後ろから首筋に顔を埋めて、耳朶を食み首筋を吸いながら、はじめは緩やかに腰を擦りつけてくる、そのリズムに合わせて、前を握る手が幹を擦る。
「ぁう、っふ、あ、あ、っく、ン」
次第に突き上げるように激しくなる律動に、断続的な喘ぎが漏れ、シーザーのものを責める手の動きも強く、速いものになっていく。一際奥を突かれた瞬間、先端を指でくじられて、中に放たれると同時にシーザーもまた精を迸らせた。
達した余韻に長い息をつき、くたりと背後の身体に身を預けたシーザーは、しかし下半身に違和感を覚えて後ろへ身を捩った。ジョセフの昂りはまだ硬さを保ったまま、シーザーの中でどくどくと脈打っていた。
「なん、おまえ、まだ…っあ」
背後のジョセフが腰を浮かせ膝立ちになる。後ろに埋め込まれたままのシーザーも一緒に腰を持ち上げられ、半ばジョセフの腿に乗り上げる形になった。
「シーザーのイイとこ、もうひとつ」
ジョセフの手が、前へと回される。自身への刺激を予測して、シーザーは一瞬身体を竦ませたが、手はそこを通り過ぎ、根元の膨らみの、さらに奥へと忍び込んだ。
「ひぁッ」
ジョセフを受け入れている後孔の、すこし手前を指でするりと撫でられて、ひくんと身体が跳ねた。
「っふ、ここ、やっぱ好きなんだ? すげえ締まったぜ」
見せつけるように、ジョセフはそこをやわやわと撫でさする。もうひとりのジョセフが目を細め、舌なめずりをするのが見えた。不安定な上半身を正面から支えるように抱きながら、下半身を密着させてくる。
指に代わって、ぬるりと熱いものが会陰に押し当てられた。
ぬるついた幹を這わせ、時に悪戯に先端でくちくちとつつく。そこばかりを執拗に弄られて、まるで、あるはずのない性器を責め立てられているようだと、倒錯的な想像に涙が滲んだ。
後ろでは緩く腰を揺らすジョセフのものが、敏感なそこを中からえぐる。中と外から同時に施される愛撫にシーザーは抑えきれず甘い悲鳴を上げた。
「ひぅ、あ、は、ぁんっ、」
後ろからも前からも犯される感覚に、目の前がちかちかと点滅する。内壁をぐちぐちと捏ねまわされ、会陰をぬるぬるとこすられるたび、下腹の奥底にじくじくと熱い疼きが溜まっていく。
「や、ああ、JOJO…ッ、ァ、変、だ…ッ」
未知の感覚に恐怖めいた戸惑いを覚えて目の前の胸板に縋りつく。駆けあがるような射精感とは違う、痺れるような快感の波が渦巻いて、不意に弾けた。
「ひ、ぁあ、ッ―――――――!」
瞬間的に締めつけられて、背後のジョセフが息を呑んだ。びくびくと痙攣する身体に合わせて収縮する内壁がジョセフに絡みつく。シーザーの自身は緩く頭をもたげたまま、とろとろと蜜をこぼしている。
「っは…ッ、…すげ、中でイっちゃった…?」
「あ…は、ぁ、あぁ、は、」
達した感覚はあるのに、腰から全身に走る痺れは止まず、シーザーは浅い呼吸を繰り返す。
「これ、そんなにイイの?」
「ひぁ、や、JOJO、あ、やめ、ぁん、もう、っあ」
ジョセフの興奮に上擦った声さえ性感を刺激する。敏感になりきった会陰をさらにぬちぬちと嬲られ、後ろを突かれて、シーザーはひくひくと身体を震わせながら途切れ途切れの嬌声をこぼすことしかできない。絶頂感の抜けきらぬままの身体を、続けざまに波が襲った。
「――――――――ッ」
声にならない悲鳴を上げて、シーザーの身体がびくんとのけぞった。
穿たれた後孔は呑み込んだ剛直を食い締め、硬直した太腿が前に押し当てられた肉棒を挟みこむ。
「―――っく、!」
「う、っふ……!」
ほぼ、同時だった。
中にも外にも熱い飛沫がぶちまけられる。
注がれた精がとめどなく内股を伝い落ちていく感触を最後に、シーザーは糸が切れるように意識を手放した。
自分を抱いているその腕は、ひとりぶんだ。ぼんやりと視線を巡らせると、ジョセフの声が降ってきた。
「もうひとりのおれならいないぜ、後始末してる間に急に消えちまった」
では、先ほどまでの行為は夢ではないのだ、とシーザーは思い出される痴態に消え入りたい気持ちになった。ふたりぶんの精を受けた身体はすっかりきれいに整えられていたが、それもふたりがかりで清められたのだろうかと思うといたたまれない。
シーツに突っ伏したシーザーの心情を知ってか知らずか、ジョセフがうっとりと囁く。
「どろどろのシーザー、めちゃくちゃエロかったぜ……」
それからふと思いついたように、
「おれがふたりいるってことは、シーザーもいるんだよなあ、うわお両手に花?」
いやいっそ4人でってのも、などと呟きだすのへ、
「何考えてんだこのスカタン…」
「楽しまなきゃ損だろ?」
ろくでもない既視感に頭を押さえながら言えば、にっと笑って返された。
ASB空間でジョセジョセシー3P。シーザーが思ったよりまんざらじゃなさそうになったw
シーザーが中でいったままオチてしまったので後始末するときにジョセフが親切に出させてあげました
でもそれを知ったら悶死しそうなのでシーザーには秘密w
設定としては「全部終わった後の魂を連れてこられてるけど意識のベースは修行中」なので、
ジョセフの魂にはシーザーを失ったトラウマが刻まれてて、ジョセフは本来の修行中のころよりもシーザーにひっつきたがります。
毎晩シーザー抱きたがるのもひとつにはそれが無意識下で働いてるのです。
シーザーはシーザーでジョセフに全部捧げちゃった感覚が刻まれてるので本来よりジョセフに甘いw
結果、本人たちは無意識だけど周囲から見ると微妙に恥ずかしい感じになっているという。
そんな裏設定が密かにあるのでした
2013.12.01