癌陀羅は、蔵馬を手に入れ、飾っておくための花籠――そんなイメージで。

黄泉にとって、己の覇業は、蔵馬を手に入れることではじめて自分の中で完成するものだったんじゃないかと。
魔界統一の野望と、蔵馬への意趣返し、どちらが目的でどちらが手段かなんてもうわからない、
不可分のものになっているんだと思う。
のしあがるために蔵馬の教えを忠実に守るは、自分を襲った刺客を蔵馬と再会するまで生かしておくは、
明らかに蔵馬を意識しまくりの千年間。正も負も全部、愛憎ひっくるめた執着。

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