急遽発足、ロシア版コーナー!

D'Artanyan i Tri Mushketyora(監督:Georgi Yungvald-Khilkevich)、1979年ロシア(当時はまだソ連だ…!)制作の三銃士映画です。
動画あさってるうちに、我慢できずにとうとう買ってしまった。ダルと三銃士が仲良しでかわいいんだもの。
3話で完結の作品を2枚組DVDに収録。…2話目の途中でディスク換えなきゃならないのはちょっとどうにかしてほしかった…
音声はロシア語、字幕で英語とロシア語が選べる仕様。(ロシア語見たってわからんけど)
字幕が入ってると、読める読めない関係なくどうしてもそこに目がいってしまうので、とりあえず最初は字幕なしで見てみる。
これは原作のあのシーンだろうな、というのはだいたい見当がつくので、多分こういうこと言ってるんだろうと推量。
わからんところは魂で感じろ!
あとで一応ところどころ(おもに4人の出てるシーン)英語字幕を確認。
ただし英語も不自由な人間なので、原作と離れるといまいちわからないところも(汗)
字幕の流れるスピードも速いので読み取りきれん…ちゃんと見たいところは一時停止を繰り返すしか。

原作のエピソードを、いくらか端折ったり順番を変えたりしつつ、ダル上京からミレディーの処刑、ラ・ロシェルの戦いまでを描いています。
ポルトス、アラミスの個人的エピソードはほとんど削られてしまっているんですが、その分、常に4人いっしょにいるという印象が強いですね。

※すっかりロシア版にハマり、4部作コンプリートしての追記(赤文字)

エピソードは削られたとはいえ、アラミス、ポルトスも個性はばっちり。ちゃんと存在感があります。
とにかく4人とも、お前らかわいすぎだろうと(笑)
ストーリーに対する比重からすると、4人の仲良し描写にかなり時間を割いていると思います。
原作の細かいネタや台詞も結構拾ってきてたり。
その反動なのか、後半、ミレディーの処刑までの流れがものすごく駆け足で、どういう状況なんだ、ということもあったりしますが。

 

まずはキャラクター、キャストの印象など。

・リシュリュー
猊下はとにかく細長い(笑)!
顔立ちは悪くないと思うんですけど、なんせ一人で人形劇ロシュのように細くて背が高いので、他の人と並ぶと遠近感がおかしいったら。
法服がまた腰位置が高いので余計にバランスが狂う〜。
途中、アンヌ王妃への想いを歌いながらの想像(妄想?)の中で普通の騎士っぽい格好をしてたり、
野外パーティーみたいなのの時に陛下の銃士コスプレに合わせて護衛隊コスプレしてみたり、
ラ・ロシェルにはちゃんと鎧つけて参戦したりと色々な格好を見せて下さいます。

※この猊下、私結構好きだw
 人間くさいところも見せつつ、鷹揚さもある。思えば猊下の描写も結構多いな。
 ダルたちとの関係・距離感はほぼ原作通りで、変に「全ての元凶」みたいな悪にはされてません。
 ラ・ロシェルの陣営で激しく作戦指示してる猊下がなんか素敵。悪だくみじゃなくてちゃんとお仕事してる。

・ロシュフォール
紫の人。
服が全身紫で実に目立つのでいればすぐわかる。(しかし密偵としてそれはどうなんだ)
薔薇の三銃士(携帯配信ゲーム)でもロシュは紫のドレス着てたけど、ロシュのイメージって紫なんだろうか。
謎の人物、のイメージカラー?真澄さまも紫のバラの人だし。
ビジュアルは貴族のおじさまらしい渋くてなかなかかっこいい方です。
ただし見せ場はそれほどない、かな。原作同様、猊下への報告やミレディーとの連絡役なんかで所々に出没する役柄なので。
原作よりはミレディーとよく絡んでます。

※彼の一番の見せ場は最初のミレディーとのデュエットなのかw
 あそこ好きだけど。だんだんノリノリになってくロシュがおかしい(笑)

・ミレディー
怖いよー((泣)
シーンや表情によっては美人に見えるところもあるんだけど、全体的に険が強すぎるんだろうなあ。
髪のせいもあるかも。横髪だけ垂らして後ろ髪は帽子に納めてるときなんかは割といい気がするので。
ミレディーさんは、普段はいかにも美人で魅惑的で、いざ本性を出すと恐ろしい女、であって欲しいのです。
なにより若きラ・フェール伯が夢中になっちゃったくらいだもの、やっぱり一目で心奪われるくらいの超美人じゃなきゃ!(笑)

※ロシュとのデュエットのときは結構かわいく見えるんだけどな…
 アラミス足蹴にする彼女は素敵だと思う
 処刑に至るまでの経緯が駆け足すぎて、ちょっと不憫だ

・トレヴィル
隊長ちっちゃい!
小さいのと、動きや表情、台詞もせかせかしてるのとで、ネズミさんのようだと思ってしまった。
整列した銃士たちを前に歌い鼓舞する隊長はかっこいいですけど。
もうちょっと堂々としたガタイと風貌でもいいなあ。

・コンスタンス
コンスタンスの人はかわいかったです。ダルとのいちゃつき方もいい感じ。
修道女姿も似合います。
しかし原作以上にあっさりと…(哀れ)。

・ボナシュー
小間物屋、という商売や、長いものには巻かれろな性格や、あと今は人形劇の印象が強くて、貧相な小男というイメージなんですが、
このボナシュー氏はヒゲ熊親父でした
(あとで確かめてみたら、ボナシューさん太ってる描写はあった)
告げ口はしてるけど、コンスタンスに対して原作のように誘拐したりしてないので、そんなに悪い人というわけでもない、か?
(でもやっぱり人相は悪い)

・他
たまたま見ていた父母にはアンヌ王妃が王妃らしい気品が感じられないと不評。うん、いまいち美人じゃないかな…あとバッキンも。
(母(三銃士はあまり知らない)に至っては「娼婦顔」とまで…容赦なし←全体的に役者さんの顔が気に入らなかったようだがアラミスは合格点だったらしい)
ケティと思われる立ち位置の子は美人というより愛敬があってキュートな子でした。

※アンヌ王妃、これも変に「いい王妃」にはされてなくてその意味では落ち着く(笑)
 気が強くてしたたかな感じは、2部以降の性格も考えるとアンヌらしいかも。

さて、ここからが本番、ダルと三銃士。

・ダルタニャン
DVDを買う前、動画を見てた段階で、もう最初の印象が「濃い」でした(笑)
まあ原作でも、頬骨が出て鷲鼻で、顎が発達して…とごつめの濃い顔なんだろうなあという描写ではあるんですけどね。
(美青年、とかそれに類する表現も与えられてはいるんだけど、ダルに「美形」というイメージはあまりないのよね…
言うならかっこいいとか凛々しいとか、そういう系統だと思ってます。
ちなみに理想のダルはフィギュアスケートのキャンデロロv←彼はじゅうぶん美男子だけど)
ただ若さが!瑞々しさが足りないよ!
…と思いながら見てるんだけど、いつの間にかかわいく思えてくる不思議。
動きや表情は活発で、悪く言えば落ち着きがなく(笑)、初期のダルらしい雰囲気が出ているのではないかと。
うん、演技面では確かに若いんだ(笑)。細かい動きもいちいちユーモラスで、1話目あたりは彼の行動見てるだけでも結構楽しい。
最初の方は実に田舎者らしく野暮ったいのでなおさら濃さが目立ちますが、
後半落ち着いてくるとそんなに気にならなくなる(こっちも目が慣れてくるのか)。いや、この濃さもそれはそれで癖になるわー。
歳をとっても絶対ガブリエル・バーン@仮面の男にはならないダルタニャン(当たり前だ)。
彼の風貌は、この時点で、20年後ダルだったらかなりイメージに近いかもしれない。

※ダル@ボヤルスキーの名前をもじってボヤルタニャンと呼ばれていたらしい(アトス@スメホフ談)
 濃くてもいい。むしろ彼は濃いのがいい。
 20年後、30年後は歳も作中設定と近くなって、「ちょっと疲れた頑固な軍人」の雰囲気がばっちり。
 第一部では原作ほど「知恵の回る」感じではなく勢いで押してるダルだったけど、
 第二部、第三部は悪だくみwが似合う男に。
 4作目はちょっとくどい感もあるけど(苦笑)

・ポルトス
黄色いリボンがキュートv
帽子に孔雀の羽根を挿してみたり、お洒落さんなところはちゃんと出ています。
挿絵でよく描かれる感じの、恰幅のいいタイプの巨漢ですね。
顔立ちはなかなかにハンサムさん。
ダルやアラミスと軽口をたたく姿が和む、愛敬たっぷり、かわいげのあるポルトスです。

※とにかくキュート!!!に尽きるの。
 本人がメインじゃないシーンでも、いちいち相槌打ってたりして付き合いがいい。
 第二部でのダルとの再会シーンの暑苦しさがたまらないw
 第一部はアラミスとのコンビが多いけど、第二部、第三部はダルとのコンビが多くなります。
 
 

・アラミス
細身の優男。やっぱ黒髪じゃないのね。
いかにもおっとりとした顔立ちをしながら、戦いぶりに血の気の多さと要領のよさが垣間見えるクセモノです。
やー、このアラミスいいわー。
ただしメシ屋で給仕の女の子にちょっかい出してるのはちょっと違うかなー。(このアラミスだとそういうのも似合うんだけど)
原作アラミスだと女好きというより、貴婦人がたとの恋の駆け引きが好き、というイメージなので。
手紙のやりとりとか、いかに逢引するか、とか、そういう経緯を楽しんでるというか。
女性全般に愛想はいいけど、町娘は口説くには対象外なんだろうと。プライドも高いから。
第一印象で思ったんですが、どことなく谷原章介さんに雰囲気が似てるような。笑った時の目もとの感じとか。
こっちの方がクセが強いですけど。
あと、なんか物理的な対人距離がやたら近い。

※見返すほどにじわじわ来るわ、このアラミスw
 「気障な色男」に描かれがちなアラミスですが、このアラミスは「気障」とは違う。
 仕草(特に手の)とか表情とかがおっとりと柔和でちょっと女性的。
 ナイーブな青年、っぽいんだけど、どこか胡散臭い、常に隠しごとしてそうな感じが漂ってる。
 しれっと涼しい顔でヒドイことしてたり、ガラッと打って変わって男らしい瞬間があったり。
 アトスに敬意をはらっている感じが出てるのも良。
 第二部以降のデルブレーぶりは絶品だと思いますよ!
 長髪もばっちり決まって、ちゃんと第一部より高慢そうで血の気が多くて腹黒い(笑)
 (こっそり貼っておこう。新王宮前広場→ http://www.youtube.com/watch?v=eElf69bWe0I
 )
 原作アラミスファンにぜひ見てもらいたいアラミスです

・アトス
最後に真打、どこかほっとけない色気のあるアトスだー。
おとなしい顔立ちにややぽっちゃり系、と、美しく端正な原作アトスそのままとはいかないものの、
年長者なのと「美青年」アラミスとの差別化のためか、おっさんくさかったり荒っぽかったりにされがちな中では、
落ち着いて品のいいアトスの部類に入るのでは。
目をくりっとさせたいかにも陽気なダルやポルトスに対し、常に半眼で眠そう物憂げな瞳をしてるのがイイ。
表情をあまり動かさず、台詞も口元だけでぼぞぼそと低い声で静かに話すのが特徴的で、陰気な第一部アトスっぽい。
(あ、でも原作では「柔らかくてよく通る声」なんでしたっけ)
要所要所で重要な台詞は言うけど、仲間内でのおしゃべりでは口数が少なく、その辺、口の重いアトスの雰囲気が出ています。
地味に見えるけど、きっちりメンバーの中で主導権握ってるのもポイント高し。
基本はとにかく落ち着いてて物事に動じない。動のダルと好対照な静のアトス。
(このアトスなら表情変えずに無言でグリモーひっぱたきそうだわ(笑)残念ながら従者連中は出てきませんが)
それだけに、時折みんなと一緒に楽しそうにじゃれてたり、飲んだくれてダルに絡んだりという姿がいっそう萌えv
守ってあげたくなる小動物のような可憐さも(…これはアトスファンの贔屓目かしら)
イギリス道中、過去告白シーンと、後半になるにつれて若くなり色気も増してきます。
頭を振って髪を払うような仕草をよくしてるんですが、これがなんか妙に色っぽいんだ(笑)。
ああ、これでもう少しスマートだったらもっとよかったのに…!
初登場シーンでは衣装のせいか、やけに丸く見えるのが…。まあ、ほかの服装のときはあまり気にならないのでいいんですがー。
長髪はアラミスともども、20年後に期待。

※もの静かなのにきっちりリーダーしてるアトスはやっぱいいなあ
 第二部ではお歳のせいか、お腹のぽっちゃりとお顔のくすみが気になるのですが(第一部の若さでの長髪姿を見てみたかったぞ)、
 品のよさに加え、ラウルのおかげで少し明るい雰囲気に。
 第一部のリーダーシップとは変わって、皆(特にダルとアラミス)に守られてる感じがするのが実にラ・フェール伯爵v
 ダルとアラミスの腹黒さが増した分、アトスが可憐に見えるw
 ロシア版アトスはうさぎちゃん(←淋しいと死んじゃう)
 


 

2010.02.17