「Возвращение Мушкетёров(Vozvrashenie mushketerov)」、銃士の帰還。

3作目から15年、1作目から数えたら実に30年後の制作となる4作目です。
きっかり30年なのは、レスター版のように監督が狙ったんだろうか。
台詞は分からないながら(分からないから余計に、か?)ストーリーははちゃめちゃですが、
もうこの4人がまた一緒にいるのを見るだけで嬉しい。オリジナル設定の子供たちまで愛しいよ。
(とりあえず予告編

ダルタニャンの娘ジャクリーンが男前で素敵。男の格好の方が似合うぞー。
アラミスの息子アンリ君、さすがに色男!でも性格が明るくてお調子者気味なのが嫌味がなくて良い。ヨゴレもやれる男だ(笑)。
世間的にはロングウィル公爵の子、ってことは原作第2部でアラミスがマザランにあれこれ注文つけてたロングウィル夫人の子=アラミスの子、
のつもりで設定したのかな、やっぱり。(ま、そうでなくても映画自体の2作目でちゃんとロングウィル夫人といちゃいちゃしてましたしね)
ポルトスの娘アンジェリカ、元気な子だ。ちょっとふくよかだけど目がぱっちりしてて可愛いの。
そして唯一原作からの存在、アトスの息子ラウル君。とはいえ原作とは別次元の話なので生きてます。
このラウル君はハンサムでいいわー(2作目の少年ラウルはともかく、3作目のラウルはちょっともっさりしてたからなあ(苦笑))。
アンリ君とはまた違うタイプの、穏やかな目元の落ち着いた顔立ちなのが、スメホフ氏アトスとどことなく似た雰囲気を醸し出している気がする。
しっかし背え高いなあ。細身なのは良いのだけどね。
(もっとも原作で15歳の時点でアトスや18歳のギーシュとほとんど背丈が変わらない、という記述もあるので、
そこからまだ成長したなら実際大人ラウルは結構な長身かもしれない)

アンリ君はジャクリーンに気がある模様。
ダルアトコンビ好きとしては、せっかくダルの娘がいるならラウル君とくっついてもらいたいところなのですが、アンリ君もかわいいのでこれはこれで良し。
子供たち4人の中ではメインはアンリ君だしね。
そのかわり、ラウルとアンジェリカが仲良しで微笑ましい。ラウルがいちいちアンジェリカに優しいの。

四銃士たちは冒頭でそれぞれに死んでしまい、彼らに代わってこの子供たちがフランスの危機を救うべく(?)、
奪われたマザランの財宝を取り戻すため立ち上がる!…んだけど、父上たちもなぜか復活して大暴れ(笑)
なんと言ってもタイトルからして「銃士の帰還」だからね!

 

楽しんだ者勝ちのエンターテイメントなこの4作目、ところどころで1作目を思い起こさせるつくりになっているのも楽しみのひとつです。
子供たち4人の出会いからして、アンリ君が他の3人とそれぞれ悶着起こして決闘することになる、という、ダルと三銃士の馴れ初めのパロディ。
(やりとりにもいろいろ仕込んでありそうなんだけど、台詞がわからないのが悲しいところ)
結局アンリがアラミスの息子だと知り和解、めでたく仲間が揃って、ロシア版おなじみの友情のサインも健在です。アンジェリカはしゃぎすぎ(笑)
そして護衛隊?が現れるのもお約束ですがアンリの機転で乱闘には至らず。
護衛隊に何やら言い訳してジャクリーンにいきなりキスしてみせたところを見ると、決闘じゃなくて逢引なんだよ、とでも言い抜けたんでしょうか。
ちょうど男2人女2人だし。ラウル君もそれを受けてアンジェリカを抱きあげて、ただし紳士なので控えめにほっぺにキス。かわいいなw
そしてなぜかアンジェリカは護衛隊の隊長レオン君(彼の正体も後ほど判明することに)にちゅうを送っちゃうのでした。

歌も復活、「Мы команда!(僕らは仲間さ!)」と馬に乗って賑やかに歌いながらの行進だってしちゃいます。
アトスが歌うのより、ラウルが歌ってる方が衝撃だ(笑)!かなり激しくノリノリで歌ってますよラウル君。
なんだかラウル君はみんなのお兄ちゃんぽいなあ。
ルイズとのことは吹っ切れているのか、それともそもそもなかったことになっているのか
(ルイとルイズの様子を見るにその可能性の方が高そうだ。というかこのルイズに恋してるラウル君は嫌だ…
それにしてもこのルイは太陽王の欠片も感じられないなw)、
このラウル君は親友も得て、強く生きていけそうだ…と思ったのにー。

 

ちなみに四銃士は霊体になって一緒に現世の様子を眺めてます。マザランとジュサックも幽霊の仲間入りw
マザランに食ってかかろうとするダルを抑えたのはやっぱりアトス。これも懐かしい光景です。

かつてのカレーでのダルのように、港で許可証を奪ったりのドタバタもありつつ一行はイギリスへ。
敵さんとの戦いでは子供たちの奮闘をハラハラしながら見守るパパたち。手助けしようにも幽霊なので思うようにはいきません。
でも妙な霊波で狙撃を妨害しやがったよw妨害霊波を強めるために、アトスもこっち来ーい、みたいなこと言ってるのが楽しい。
ラウル君のそばではダルが興奮して指導してます(笑)身体が勝手に動いたような感覚に、あれ?という顔のラウル君がかわいい。
アトスは指導してくれないのー?(…もっともロシア版アトスは殺陣ではあまり強くなさそうだしなー(苦笑))

一方、捕まってジャクリーンと一緒に縛られてるアンリ君がいやらしいですw

そんな中、ラウルを狙う敵のナイフが!ダルがとっさに庇うも、ナイフは空しくダルの霊体をすり抜けラウルの胸へ。
ああこの仕打ち。ラウルはどこまでも不幸になる運命なのか(泣)原作設定無視してるんだから、そのまま生き残らせてあげてもいいじゃないかー。
ショックのダル、叫ぶのは刺された当のラウルじゃなくアトスの名前なのね。アトスどうしよう、ラウルがラウルがー!みたいな動揺でしょうか。
悲嘆の歌を歌いまくるダル、アトスは対照的にどこまでも静かです。ラウルの遺体に手を伸ばすも触れられないのが切ない…
ところが一体どーゆー奇跡なのかw霊体だった四銃士たちが実体化!
初めの方でダルたちが幽霊になったときに、雨が降ってるのに全然濡れないぜー、と霊体であることを実感している(多分)描写が
あるのですが(ちなみにそのときダルに駆け寄ってきた馬は、例の上京の時に乗ってた父上の餞別の黄色い馬、
ってことなんだろうなあ…のわりに小奇麗だったけどw)、ここで、ダルが歌ってる中、降ってきた雨に体が濡れて、
自分たちが実体化してることに気付く、という流れになるわけですね(…多分)。
でも老兵たる自分たちが復活しても、前途あるはずだった若者の命は失われたまま…頬を濡らす雨は、その嘆きの涙にも見えます。

さて実体を得たアトスがラウルを埋葬している間に、とっつかまり爆薬まで仕掛けられて大ピンチの子供たち
(アンリが熱唱してるのはジャクリーンへの思いの丈か?)のもとへ駆けつけて救出。
アラミスの「神の声」wの演出が1作目を思わせてニヤリ。
対面したそれぞれの親子の仲良しぶりがかわいい。それだけに、戻ってきてラウルのことを尋ねられたアトスが哀しいのよー。
そこへこちらを狙う銃口が。アトスは銃を一発、相手の銃口に見事命中!さあパリへ帰ろう…。
お返しとばかりに火薬をプレゼントするポルさんがヒドイw楽しそうにけしかけるアラミスもね!

帰りの道中で護衛士たちに囲まれるも、ここでレオン君がポルトスの息子と判明して寝返っちゃいました。元帥ダルの一声で敵は解散。
しかし戻ってきた王宮の庭で、またもやわらわらと表れる護衛士たち。今度はダルの名乗りも通用せず乱闘へ。
ここでダルが一人ずつ点呼するの。サン・ジェルヴェだー!(感涙)
アトス!ポルトス!アラミス!アンリ!ジャック!アンジェリカ!それからダルタニャン!…ああラウルがいない…
この時の返事するアラミスが、えっらい楽しそうでいい笑顔w
剣を合わせて「一人はみんなのために」「みんなは一人のために!」の合言葉。うーん盛り上がるねえv

映画公式サイトによれば、子供たちの殺陣はそれぞれの父親を意識しているそう。
アンリは優雅に、アンジェリカは力技(だからって女の子がボディプレスはやめなさいw)、ジャクリーンは短気。
ここにいないラウルには言及がなかったけど、彼の剣はきっと正統派だよ!

もちろん四銃士も大暴れ。酒瓶煽りながら戦うアトスwどこから持ってきたんだ!
しかしこのシーン一番の衝撃はポルトスの○○○でした(あえて伏せ字にしておく)。
そしてロシア版の敵と言えばこの人・ジュサックとダルの対決も。

そんなこんなで取り返した財宝の中から、ダルがダイヤの首飾りを見つけてアンヌ太后に渡すのですが。
ダルが関係のある装飾品といったら、王妃の指輪かダイヤの房飾りくらいなんだけど…(ロシア版では原作通り、
首飾りじゃなくリボンにダイヤの付いた房飾りだったはず)
 ※DVD入手したので追記
 房飾りらしきものは宝箱(笑)の蓋の裏についてたので、この首飾りはあの事件とは無関係のようですね
 ただの太后のお気に入りの首飾りだったのかしら

陛下や廷臣たちの前へ招き出されるダルたち。
ポルトスは陛下にレオン君を銃士にしてほしいと言ってるのかな。
財宝の中から取り出された謎の指輪、よくわからんがこれで誰か生き返れるという話らしい。
太后から受け取ったアラミスはアトスへ(ちゃんと手を取って優しく渡すのに萌v)、アトスはポルトスへ、ポルトスはダルタニャンへ
その権利を譲ってしまいます。それぞれの子が一瞬喜んでは悲しい顔になる。
そしてダルもまた、自分だけじゃ意味がない、とばかりに、哀願するジャクリーンを振り切って指輪を窓から投げ捨てちゃいます。
すると空が光り鳩が舞い込んでくる。この奇跡の効用はいまいちよくわからないw
ともあれ、お気に入りのアンリ君とジャクリーンの仲を取り持つ太后。
ダルはものすごーく気に食わなそうな顔でアンリ君をにらみつけながら渋々承諾するのでした。

 

そしてEDは歌を歌い階段を降りながらのグランドフィナーレ。
先頭を行く四銃士たちは後ろに続く子供たちへ向き直り、それぞれに最後の別れを交わすのです。
ここにはちゃんとラウル君もいますよー。(パパたちの後ろでラウルとアンジェリカが何か話してたのは、アンジェリカをなぐさめてあげてたんだろうか)
実体化できなかったマザランや今度こそやられただろうジュサックもいるし、本編と完全に繋がっているわけじゃないけど、
あの指輪の奇跡が気を利かせてラウル君をよみがえらせてくれたんだと信じることにする。
ここのそれぞれの親子の表情がいい。
ダルタニャン&ジャクリーンは気丈に見つめ合い、アラミス&アンリは朗らかに肩を叩き、
ポルトス&アンジェリカ(&レオン)は思いを込めて手をとり合い、アトス&ラウルは静かに穏やかに視線を交わす。
そしてそのあと。
1作目のEDと同じように、4人がこちらに向けて手を差し出すのですよ。私これだけで泣ける…
それから一人ずつ画面から去っていき、今度は子供たちが並んで手を差し出すのがまた泣ける演出なのです。
  ※そのあと一人ずつ退場してくんですが…DVD、エンディングが子供たちが手を差し出したところでブチ切れた!ちょっと待て!

 

アラミス役のイゴール・スタルジン氏が亡くなられてしまい、もうこの4人が揃うことはなくなってしまったんだなあと思うとなおさら切なくなる…。
この4作目のアラミスが、これまでになかったくらいやたら明るくて楽しそうなので余計に。

素敵なアラミスを演じきってくださったスタルジン氏に、
そしてこんなにも愛しい銃士たちを作り上げて下さったキャストとスタッフの皆さんに、心からの感謝を。

 

2010.07.03