最終話は当日に見られたぞー!

盛り上がることは盛り上がったんだけど、いろいろつっこみたい部分も多くて、素直に盛り上がりに乗りたい気持ちと、えー!?という気持ちとでせめぎあってました

OPもなしでいきなり本編映像から。これって今までのシリーズで初めてですよね?
サブタイトルも本編進行中にテロップで出ただけでした。これはちょっと寂しかったな。本編の映像の隅に出すんじゃなくて、いつもみたいにバーンと黒背景で全画面に出したほうが、さあ始まるぞ!っていう期待感があっていいなと個人的には感じました。さすがにいつもの音楽ありだと流れぶったぎれすぎるので、黒背景で林原さんの声だけとか、あるいは音声なしで、とか。

さて本編です
レゾの意図がいまいちよくつかめなかったんですが…いや、意図がというより、今までの流れとの整合性が、か。
リナがレゾに「自分の中の魔王を封じるために」と言った通り、レゾは自分ごと魔王を滅ぼしてほしくてリナたちの前に現れたのだというのはいいんですが、じゃあそこに至るまでの壷の扱いはなんだったんだ、というか…。
レゾとしては、
・このまま壷を放っておいたら、壷の中で魔王が回復してレゾの魂を喰い尽くしてしまう
・かといってただ壷を壊したら魔王だけ復活してしまうかも
・ならばまだ魔王が回復しきらないうちに復活して自分ごと滅ぼしてもらおう
というつもりだったわけですか?でもそのわりに壷を壊せと言ってみたり、復活を渋ったり、一貫せず振り回しまくってたじゃないかー。
今回に限って見ても、自分が魔王を抑えていられる今のうちに滅ぼせ、ということなのかと思ってたらあっさり魔王に意識持ってかれてるし。そうなる前に倒してもらわなきゃ意味ないんじゃないのか。
…滅ぼして欲しいだけなら、ひょっとして、壷ごと神滅斬でぶった切ってたら、魔王の魂も滅ぼせたんじゃないだろうか…そりゃレゾはできればもう一度自分の目で世界を見た上で滅びたかったんだろうけど。わがままじじいめ。

そんなこんなで魔王復活。ただしゼロス曰く、完全な魔王ではなく「魔王の亡霊のようなもの」。例としてガーヴを持ち出してましたが、「魔王」ガーヴって言ってましたね。脚本ともしくは台本のミスでしょうか。ここは間違えちゃいかんでしょ。魔竜王魔竜王。
それはさておき、ゼロス――魔族側は、ガーヴのように魔族に弓ひく存在になられるのを避けるため、と「魔王」を滅ぼそうとしているようですが、あの「魔王」さん、明らかに世界滅ぼそうとしてますよ?本人もそう言ってるし。「我々の望む滅びとは己の意志と力によってもたらすべきもの」って言っても、フィブリゾなんか、おかあさまの力借りて滅ぼそうとしてたじゃないか。あれもゼロス個人としては気に入らない計画だったかもだけど、魔族全体としてはOKなんじゃ。
レゾとゼロスの動向に関して、今までの流れから推測できた予想とはわりかし一致するんだけど、その先への展開がなんか「あれ?」と思う部分が結構あった前半部。

今リナを失うわけにはいかない、とゼロス。なぜなら「魔王」を滅ぼすには重破斬しかないから――
おいおい、やっぱりギガスレやっちゃうのか!?というところで後半へ。
アイキャッチ、前半は過去作から今作までの味方陣営、後半は敵役陣営がそれぞれ勢ぞろい。最終回らしく豪華です。

 「魔王」から一旦退く一同。ポコタに運んでもらいながら光の刃を撃ち出して牽制するガウリイ。彼だけ自力で飛んでないしね、それくらいやってもらわんと(笑)いや、自分で飛べない分、他のやれることはちゃんとやって皆をフォローしてるのが描かれてると嬉しいもんです。降りたときに、ガウリイが当然のように一番前衛に出てるのも。こういう描写があるだけでもぐっとらしくなります。

かろうじて通じるのは光の剣だけ。ならばやるしかないのか――って、本物の光の剣も魔王にはほとんど通じてませんでしたよ?
ともあれ、逡巡するリナを尻目に、オレは諦めない、とポコタが唱えたのは竜破斬。効くわけない、と思いきや効いてる?
ここで一度、「魔王の滅びを望むレゾが竜破斬を受け入れている」という15巻風の流れでギガスレ回避に持ってくか、と思ったんですけどねー。ここはむしろ原作既読者に対するミスリードを狙ったんですかね。
ドラスレが効いてるんじゃなく、ドラスレを使うことで「魔王」本体から離れた力(=具現化した化物たち)が強制的に消費されてる、とのこと。そういうもんなのかー?と思いつつ、ここは納得しておくことにします。化物どもを「消費」して本体に近づき神滅斬をぶちかます、という作戦の元、リナとポコタでドラスレ連打。ここまでのドラスレの連打を見るとは思わなんだ。ある意味豪華だなー(笑)
しかし「魔王」の起こした地割れと溶岩により接近の道を封じられ、再び重破斬の決断を迫られるリナ。
最後の切り札たる彼女を守るべく、必死で「魔王」を食い止めるアメリア、ゼル、ガウリイ。ここからは燃えますねー!「ここから先へは行かせない」って、アニメアメリアで初めてかっこいいと思いましたよ。ポコタもまた「やれることをやる」とある決心を。(しかしゼロス、皆を避難させたりポコタを壷のところに転移させたりできるんなら、最初からリナを「魔王」の近くに連れてって神滅斬かましてもらえばよかったんじゃ…)
アメリアがやられ、ゼルがやられ、残るガウリイ、がんばるがんばる。レプリカ光の剣が壊れても、文字通り体を張って立ちはだかります。最終決戦はいいところもらったなあ!
信じた通りにやればいい、誰にも文句なんて言わせやしない、とリナの背中を押してやるガウリイ。ラブではないけど特別な信頼関係が見えるのはやはりいいですね。
ただ、「撃っちまえ!」とまで言ったところでつい「お前が言うな」とも思っちゃいました。リナにとってのギガスレは、危険すぎて使えない、というのはもちろんあるけど、ガウリイを失う恐怖とか、ガウリイを助けるためだけに、世界だの何だの全部頭からふっとんでしまった後ろめたさだとか、そういうもろもろの苦い記憶と切り離せないものだと思うので。(必ずしもガウリイのせいじゃないとはいえ)そこまでさせた当の本人に、同じ術を使えと言われるのはちょいと辛くないか?と。
混沌に還る恐怖は描いてたけど、そのあたりのトラウマはあんまりなさそうでしたね、このリナ。
もっとも、リナの最後の後押しをするのはやっぱりガウリイ以外にないよなあとも思うのです。
  
 自分の魂の入った壷を割り、ポコタの魂は肉体の元へ。自分が肉体に戻ることで「魔王」を少しでも抑えようと目論見ます。
ポコタが作ったチャンスに、リナはついに重破斬の詠唱を!
…実は最初、ポコタが「魔王」を抑えた時点で、11巻のベルとアリアを思い出して、リナが急遽ギガスレじゃなく神滅斬に切り替えてポコタごと斬る、という流れになるのかと思いました。初見では「地割れと溶岩で近づけなくなってる」というのをちゃんと把握できてなくて。ギリギリまで、なんとか重破斬回避を信じたかったようです(笑)
せめて制御した実績のある不完全版なら、と思ったんですがしっかり完全版でしたね。まあ最初の魔王戦は不完全版+光の剣でやっとだったし、フィブリゾでさえ不完全版をトカゲの尻尾切りで避けてるし、何よりラストが不完全版じゃいまいち締まらないし、やるならここは完全版でやるしかないんでしょうけど。
だけど完全版を制御しちゃうのはやっぱりちょっとなあ…
一瞬混沌に持っていかれかけた(目が金色になりかけてた)けど、すぐにリナ戻ってきちゃった(目が茶色に戻った)ので、結構あっさり制御してしまった印象があって。例えばベタだけど、この間に、ほんの一瞬でいいから仲間のカットとか、NEXTでの混沌から呼び戻されるイメージのフラッシュバックを入れるとか、ギリギリで戻ってきた感がもうちょっと出てるとよかったです。
ギガスレ唱えたリナににっと笑ってサムズアップするガウリイはかっこよかったですけど!
「滅びなさい、魔王の亡霊よ」のリナは大人びててきれいでしたね。
 

 「魔王」の消滅とともに、ポコタもまた…と思いきや、ひょっこり出てきた(笑)ぬるいといえばぬるいけど、いいんじゃないでしょうか。ポコタかわいかったし。一緒に消える覚悟をしてたらレゾさんが彼だけ残してくれたようです。…きっとあれだ、L様にお願いしてポコタだけ返してもらったんだよ。今後レゾは部下SとともにL様の玩具決定だな。
それにしても今までレゾは何やってたんだ。ポコタはがんばったのに、ちょっとはお前も魔王抑えてやれよ!

仲良く喧嘩をはじめるリナとポコタ。そのポコタをひょいとつまみあげた手の主はガウリイ。「お前はあっち」って、このシーンすごく好きだ!レボエボ通して今期で一番好きかもしれない。とぼけてるようで実はいろいろわかってる、っていうガウリイがちゃんと出てる、とこのシーン見て思ったんです。ああ、ガウリイにいいシーンくれたな、スタッフありがとう、って思いました。

ここの親子云々の会話の流れでアメリアがゼルにレゾの話を振ったのはレゾとゼルも肉親だからでしょうか。
「リナも故郷が恋しくなったか?」とのガウリイの言葉に「まだ帰る気はない」とリナ。ガウリイ、ちょっと残念そうな顔してませんか?実家発言未遂(笑)
ガウリイの剣も探さなきゃ、って結局レボエボのシリーズ中、まともに剣探ししてなかったじゃないかー!ともあれリナのこの言葉を受けて、レプリカ光の剣を放り投げるガウリイ。
外伝読んでると、いかにレプリカな上にもう壊れてるとは言え、ガウリイが光の剣を投げ捨てる、という姿には複雑なものを感じるんですが、むしろあの外伝を意識しての演出なんでしょうか。
ともあれ晴れやかな笑顔でレプリカ光の剣を手放したのは、「オレの剣はこれじゃない」ということなんでしょうね。これからリナと探す剣が自分の剣なんだ、と。そういう意味でのこの演出は良かったです。萌える。
なんだろう、エボは最後ガウリイが持ってった気がする(笑)


エボ最終回はギガスレが許容できるかどうかで評価が分かれそうですね。私もオリジナル展開でギガスレ使っちゃうのはどうなんだ、という思いはあります。でもなんだかんだで盛り上がれましたしね。
ガウリイに関しては、EVOLUTION-R通して、ところどころ戦闘での物足りなさはやはりあるものの、精神面では4話を除いてはかなりまともな描かれ方をしていたと思うので、その点では結構満足です。 

 

上でも触れてるけど、レゾが「滅ぼせ」と言ったきりそのまま魔王化しちゃって、ことが終わるまでひっこんでたことと、
ゼロスの言い分についてはどうにも納得いかない。レゾ復活=魔王復活、というのはリナもある程度予見してたのに、
実際直面するまでそれに対する危機感がいまいち薄かったのも。
そしてやはり一番もやもやするのは完全版の重破斬を制御させちゃった、という点です。
他の可能性が全てつぶれて、本当に他に選択肢がなくなったら、リナなら、そのままあきらめるよりは
重破斬を使うことを選ぶかもしれない、とは思います。

でもやっぱり重破斬は、フィブリゾ戦のあのオチ一回限りだからこそ許されると思うんですよ。
もう制御失敗させるわけにもいかないし、制御してしまったらご都合主義すぎる。
危険性とか作中での設定的な意味でなく、作劇的な意味で、重破斬は「切り札」ではなく「禁じ手」だと思うんです。
制作サイド的には「ギガスレ使っちゃうぜすごいだろ!」的な感覚なのかもしれないけど、
ちょっと厳しい見方をすると、「魔王を重破斬で倒す」というオチは安易なんじゃないかと。
魔王復活のストーリーが先にあって重破斬を選んだのか、重破斬を使わせるために魔王復活させたのかはわかりませんが、
ゼロスにしろリナにしろ最初から完全版前提で話が進んでいて、不完全版が選択肢に全く入っていなかったことも相まって、
最初から他の決着を考えるの放棄してるようにも思えてしまうんですよね…

なにより、フィブリゾ戦での重破斬は、「ガウリイを助けたい」というただそれだけのために、世界もなにも関係ない、と
使ってしまったところに、「ガウリイ>世界」というエゴ極まりないほどのリナの想いが現れているわけで、
それを今度は「世界の危機だー!」という展開で使わせてしまったら、その意味が薄れてしまうと思うのです。
ただ「すごい術」とか「見栄えのする術」、ということでなく、それを使ったことが作品の中でどういう意味を持っていたのか、
という部分をどこまで考えていたのか…。


神滅斬の扱いに関しても、神滅斬の欠点は「近づいて当てなければならない」というところにあって、
原作ではその難しさが敵とリナの接近戦の技量の差という形で現れていて、
そこをどうやって相手の意表をついて埋めるかがポイントになってくるわけですが、
(これは今回に限ったことではありませんが)アニメだと「接近戦」という要素はあまり重視されていなくて、
今回も「近づくことさえできればOK」な感じになっていたのが、最終的に神滅斬を封じられたのが
「溶岩で近づけない」という理由だったのがで余計に、そういう細かい描写から逃げた感を受けた部分があります。
まあこれは自分でもかなり厳しいかな、と思いますが。

 

エボ通して最後まで見て、主に壷関連で各回ごとのつながりの悪いところとか
キャラの言動がいまいちちぐはぐなところがあったりだとか、
オゼルに時間割きすぎだったとか(オゼル自体はかわいかったんですが)、気になるところはありました。
収穫はポコタ。最初レボの前宣伝でポコタ見た時は「なんだこの作品に合わないキャラは」と思いました。
いや、ただのマスコット系キャラではないのはわかってましたけど、
見た目とか名前とか、なんでこんなもん出してくるの、という…
でも特にエボに入ってからはなんか、周りとも馴染んで、妙にかわいく思えてきてしまいました。
あと、感想では(主に戦闘面で)結構不満も言ってるけど、ガウリイが内面的にはかなりまともに描かれてたのは嬉しい。
重破斬のことはありますが、なんだかんだ言って他キャラの見せ場で燃えたし盛り上がったのは間違いないので、
最終回は迷いながらの◎。


改めて読み返すとなかなかに迷走激しい感想に、最後までお付き合いありがとうございました。
スタッフ、キャストの皆様お疲れ様でした!