銀髪リナと崩れゆくシャブさん。

密かな殊勲はゼルだと思う。
「あんたがあんなにも見たがっていたこの世界」。
己を手駒に変えられて、レゾを憎んだゼルだからこそ、それほどのレゾの渇望を知っている。
リナの「赤法師レゾ!」からの呼びかけが実にかっこよくて気持ちいい。
クライマックスらしく気分が盛り上がります。
…ガウリイ役に立ってねえ!(笑)
とはいえ、あえて外伝を読んだ上で読み返せば、一時的にとはいえ、光の剣を他人に託したというのは
ガウリイにとって大きな決断だったのかもしれない。


シリーズ化決まった時に、1巻で魔王倒しちゃってさてどうしよう、というのは
作者ご自身もおっしゃっていたことですが、
魔王を「かつて7つに分かたれた」と設定していたあたりが運命というかなんというか。
これで魔王がこれ一体きりだったらどういう話になってたんだろうなー。
この時点で魔王が複数に分かれている、っていう設定なのは、
必殺技決めたのにまだ魔王生きてる!?→「別のわしが覚醒することはまずありえまいて」→魔王滅びる
っていうリナ(と読者)へのミスリード(ちょっと違うか)の流れのためだったんだろうけど、
そこから最終巻にまで繋がったのを思うとすごいなあ、と。

 

ラストバトルの戦闘描写なんかは後に比べたら雑(ガウリイなんて斬りつけて止められておしまい…)だけど、
細かいやりとりが楽しい1巻。
姫抱っこ、宿で同室、頭なで、保護者発言…とガウリナの王道ネタが1巻ですでに出揃ってるんだなあ
というか、1巻でやってるからこその王道なのか。