屍肉呪法もグロいですが、
章が変わっていきなりのタリム(推定)の首なし死体、もなかなか衝撃的です
タリム犯人説が揺らいで今度はハルシフォム邸へ。
リナの推理についていくしかない読者も忙しい(笑)。
いざ侵入、の前に外しちゃいけないこのシーン。


 >「……心配しちゃあ悪いのか?」


 >「――とかなんとか言って、照れちゃってこの、うりうりっ!」
  「だぁぁっ! やめいっ!」

自分が普通に心配されている、という可能性に真っ先に思い当たらないあたりがリナ。
そもそもこの兄ちゃん、リナを心配して旅の同行を申し出たような人でしょうに(笑)
でもガウリイも必要以上に決まり悪そうなのは、
最初にデイミア邸へ乗り込んだ時に「ついてきたのはお前がメチャをするのを防ぐため」と
言ってしまった手前でしょうか。
鼻や頬をかくのは今後完全にガウリイの癖として書かれるようになりますね。

そしてデイミア邸の地下でさんざんからかわれた反撃か、ここぞとばかりにガウリイで遊ぶリナ。
このころは、好意は持ってても、お互いそういう対象としては見てないし見られるとも
思ってないよね、完全に(笑)
それはそれで、後々の夫婦漫才とはまた違った初々しいじゃれあいがかわいい。


装備外したガウリイがなんとか通れる窓を、リナはショルダーガード込みで通れるのか。
うーん、体格差。
例に漏れずガウリナの体格差には萌えるんですが、
文中の記述としてはガウリイが長身でリナが小柄、というそれぞれの描写があるくらいで、
二人の体格差を意識させるような描写って実はそんなになかったような気がする。
ガウリイが窓くぐる間、外した装備はリナに持っててもらったんでしょうか。
アイアン・サーペントの鱗、アーマーの材質としては軽くて丈夫なんだろうけど、
ガウリイのをリナが抱えてたらやたら大きく見えそう。
受け渡しとか、侵入前後のやりとりを想像したらなんか微笑ましかった
隠し扉を斬れと言うリナに抗議するガウリイですが、
いきなり人ん家の窓切り抜いたあなたが言えた義理じゃないと思います。

地下室にてさらなる衝撃、しゃべる生首タリム登場。
良識あるいいおっちゃんだったタリムさん。性格に愛嬌もあって好きだなあ
それゆえに、冗談に紛らせるように訴えられた彼の最後の頼みが哀しい。

 >「けど――けど、それでも……」
  それでもあなたは生きている――
対するリナの拒絶。最後まで続けることができずに終わった言葉が印象深いです。
たとえそれが本人の望みでも、それで即頷けるほど割り切った子じゃないんですよね、リナも。
考えてみたら、2部ってそれをやらなきゃいけない場面の連続なんだよなあ…

 

 >「その男の人がいなきゃあ、ちゃんと当たってたんでしょうにねー」
タリムとリナの会話の最中、出番なしだったガウリイ、しかしこういう時はさすがです。
難しい話はリナに任せて自分は周囲の異変を察知する、という今後のガウリイのスタンスの片鱗が。
このハルシフォムのセリフになんとなくニヤリとしてしまう
ガウリイが「男」って呼ばれると、リナ視点の「保護者」の枠から外れて
リナと男女の対な感じがするからか、ひそかに萌えます。
(相手の意識がリナの方に強く向いててガウリイのことはあまり眼中にない、っていうのも
ありますけど(笑))
それにしてもハルシフォムの物言い、見事にいちいち神経を逆撫でしますねー

 >「評議長さんのだいじなだいじな『契約の石』、いったいどこにあるのかしら?」
殺気立ったリナの、主人公らしからぬ凶悪な脅しっぷりが好きです。いさめるガウリイも良い。

トロル竜との戦闘後のやりとりが、この状況にも関わらずほのぼの。仲良いよね、ほんと。

ルビアの衝撃の告白。
ハルシフォム自身は魔族との契約でかりそめの不死を手に入れてるけど、
「ルビアを二度と失わないため」に不死の研究をしていたってことは、
このホムンクルスのルビアにも実験の成果をいろいろ施してあるんだろうか……
コピールビアも何度か失敗作があって、今いるのはやっと成功した、何人目かの『ルビア』だったりするのかも。

 

セイグラムの仮面を砕いたリナ、ガウリイを抱えたまま壁に激突。
ここすっごい萌えるんですが!!

 >「わざと……オレのクッションになってくれたのか……?」
  「……気のせいよ……」

普通、立場が逆です(笑)
ガウリイがリナに本格的にオチたのはこの時だったんじゃないかなーと思ってます
これ、ガウリイにとってはかなりショックだったと思うんですよ。
1巻の時も最終的にケリつけたのはリナではあったけど、それとはまた違って。
一応「保護者」と言ってる身で、その相手に守られちゃったのは相当キツいでしょう。
で、リナに身を呈して庇われたことで、却って反動的に、
「危なっかしくて放っておけない」という文字通りの保護者意識から、
「自分の手で護ってやりたい」という守護意識が強くなったのではないかと。
恋愛感情かどうか、また本人がどのくらい認識してるかは別として、
「見ててやらないと」という軽い義務感めいたものから、
「護りたい」というガウリイ自身の願望に変化したという点では、
ここがガウリイの、リナに対する意識の転換点だったのではないでしょうか。

…そう決意しつつもセイグラムにやられるガウリイ。それもまた切なくて良し。
きっとリナより先に倒れる度に、思いを強くしてるんだよ、彼は。

 

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