◆楽俊その2 

楽俊その2です。最初はずいぶん真面目に語ったので、今回は軽めに。
楽俊といえばふかふかねずみ!
でも「月の影〜」によれば、陽子がとりあえず「ネズミ」と判断しただけで、実際には「ネズミに似ているがネズミとは違う生き物なのかもしれない」んですよね。その後はすっかりネズミで定着してるけど。
で、改めて楽俊の特徴を書き出してみると、

 ・ネズミより少しぽってりしている
 ・灰茶の毛並み(しかもふかふか)
 ・尻尾まで毛皮に覆われている

こんなところでしょうか。一番問題なのはやっぱり3つ目の尻尾ですね。「これはネズミじゃない、その証拠に尻尾に毛がある!」ってのが動物のお医者さんにあったなあ(笑)。それはともかく、この特徴を見るに、実は楽俊、ヤマネだったりして。ネズミより丸っこくて、もふもふしてて(ネズミの毛って割と硬そうなイメージが…)、尻尾に毛がある。
もっとも一目見てヤマネだとわかる、やたらと動物に詳しい陽子ってのも妙ですが(笑)。もし陽子がヤマネだと判断していたら、こうなるんでしょうか。

 『あのヤマネは裏切るぜ』(by蒼猿)

…緊張感に欠けることこの上なしですな。
実物の気性がどうかはよく知りませんが、イメージ的にヤマネでは可愛すぎる…。やっぱり「ネズミ」というのが微妙でいいんだよな〜。かわいらしすぎず、ちょっと泥臭いというか、庶民的というか。
それに、ネズミのキャラクター(ミッ○ーとか)やハムスター人気はあるにしても、単に「ネズミ」と言った時のマイナスイメージってあると思うんですよ。十二国の世界では、「半獣」というカテゴリーで差別されるわけですけど、楽俊の場合、その「獣」の部分が「ネズミ」だというのもかなり大きい気がします。ちっちゃいくせに小賢しくて生意気だ、って感じで、ネズミのくせに、とかあからさまに見下されそう。桓タイも半獣だけど、「熊のくせに」とは言われなそうだし。
話がちょっと脱線しましたが、楽俊はやっぱりネズミでいいや、ということで。ふかふかで、尻尾にも毛がある変わったネズミなんだ!

ふかふかの毛皮に真っ黒な瞳。リズムを取る尻尾、さやさやと揺れる髭…外見の描写もさることながら、楽俊は仕草がいちいちかわいいんですよね〜。椅子によじ登る楽俊(月の影〜)、眠そうに目をこする楽俊(風の万里〜)、ぽてり、と机に顎を乗せる楽俊(書簡)…中身が二十歳過ぎの青年かと思うと尚更、張り倒したくなるくらいかわいです。人型バージョンで同じことさせてみたいわ(笑)。
ちなみに人型楽俊は、見た目ちゃんと青年らしいのが希望。目は黒目がち、ハイライト少なめの黒い瞳。
背は獣型とのギャップがあるほうが楽しいけど、本文中で「中背」と書かれてるし、あっても175くらいかなあ。細身だけど華奢なんじゃなくて、あくまで「痩せぎす」で。骨格はしっかりしてて、必要な筋肉がそれなりについてて、ただ無駄な肉がなくて筋張ってるの。
余談ですが、初めて人型で出てきた時、顔立ちの描写はほとんどなくて(年が二十歳過ぎくらい、ってだけ)、身体つきの方に目がいってしまうところに、陽子の動揺が出てる気がします。「いかにも健康そうな身体つきの男」っていうのが、なんとなく生々しいというかね。まあ、中身は同じ楽俊なんで、すぐにあまり意識しなくなってるけど。

あと、楽俊初登場時の描写が印象的で好きです。笠代わりに被った葉の透ける緑、それを叩く白い雨。飾りのように毛並みについた水滴。――この澄んだ色彩。荒みきった陽子の視点のはずなのに、すごく綺麗で。体力も気力も尽き果てたところに思いもよらないものが現れて、警戒も何もなく、本当にただぼんやりと眺めていたからなんでしょうが。
これまでひたすら暗かった物語に差した、光。この後まだしばらくは、陽子は楽俊を疑いますが、それを乗り越えて振り返った時、この光景が、陽子にとっての楽俊のイメージになっているのかもしれない、と思ったり。
髭も結構重要なポイントになってますね。陽子も祥瓊も、楽俊に心を開いた時、初めて髭が銀色に光って見えるのがいい。髭が銀に光って見えたら楽俊にオチた証拠です(笑)。アニメEDの『銀色の優しさに〜』って楽俊のことよね〜、というのは妄想しすぎでしょうか。

 

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